防衛省は、ある文書を持っていないと言っていましたが、実際には持っていました。
これについて、情報を公開してほしいと求めていた団体のメンバー、和田千代子さんが国にお金の賠償を求める訴訟を起こしました。
東京の裁判所は、防衛省の調査が十分ではなかったとして、国に5万円の支払いを命じました。
和田さんは、旧日本軍の「731部隊」のことを研究している団体のメンバーで、この部隊が細菌兵器を作っていたと言われています。
和田さんは、昔の陸上自衛隊の雑誌に731部隊の研究のことが書かれていると考えています。
和田さんは、防衛省にその雑誌の情報を公開してほしいと頼みましたが、防衛省は持っていないと言いました。
しかし、和田さんが調べた結果、防衛省が持っていることがわかり、裁判所が防衛省に改めて調査を命じた結果、いくつかの雑誌が見つかりました。
裁判所の判決の理由として、防衛省がちゃんとした調査をしていなかったと言われました。しかし、すべての情報を公開するという要求は受け入れられませんでした。
裁判の後、和田さんは、全ての情報がまだ公開されていないとして、これからも公開を求めていくと言いました。
和田さんが持っている雑誌の中には、731部隊の元のメンバーが翻訳した内容があり、それが証拠になる可能性があります。
そして、一緒に会見に出ていた専門家の方々も、731部隊の研究のことをもっと詳しく知りたいと思っています。
防衛省は、この判決について、どう対応するか考えていると言いました。
７３１部隊とは
731部隊は、第二次世界大戦中の日本の秘密部隊で、中国のハルビンに実験施設を持っていました。
この部隊は、生物兵器の研究や実験を行い、多くの人々がその犠牲となりました。
戦後、アメリカは部隊の詳しい情報を得るために、部隊のメンバーに対する裁判を行わなかったと言われています。
731部隊の存在や行動は、長い間タブー視されていましたが、近年では多くの資料や研究が公開されています。
「731部隊」情報開示請求めぐり国の過失認定 東京地裁「防衛省が『検索』せず不開示に」：東京新聞 TOKYO Web
